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2017-09-20

藤袴

主知らぬ香こそ匂へれ秋の野に たが脫ぎかけし藤ばかまぞも(古今241秋歌上:素性法師)

藤袴は秋になると白い實のやうなものから鬚のやうな物が伸びて花となつてゐる花で、古來より秋の景物として歌に詠まれて來た。が、今は絕滅危惧種となり東京では水元公園が唯一の群生地となつてしまつた。それ以外だと長瀞の法善寺くらゐかな。なか/\見る事が出來ない稀少種である。

水元公園には、藤袴以外に曼珠沙華や萩、女郞花、尾花、桔梗が咲いてゐた。秋ですね。直虎に思ひを馳せる旅が始まつたばかりですみません、まあ、季節感も大事と云ふ事で。明日からまた旅を續けます。

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▼まづは曼珠沙華から。
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▼珍しい色だが、もしかしてこれは曼珠沙華ぢやないのかな。
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▼尾花かと思いきや外來種のやうだ。
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▼折りてみば落ちぞしぬべき秋萩の 枝もたわゝに置ける白露(古今223秋歌上:讀人智らず)
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▼たが秋にあらぬものゆゑ女郎花 なぞ色にいでてまだきうつろふ(古今232秋歌上:紀貫之)
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▼秋(あちかう野はなりにけり白露の おける草葉も色かはりゆく(古今440物名:紀友則)
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▼こちらが尾花ですね。尾花は薄とも言ひます。
今よりは植ゑてだに見じ花薄 穗にいづる秋はわびしかりけり(古今242秋歌上:平貞文)

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▼さて藤袴とまゐりませう。
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▼宿りせし人の形見か藤ばかま 忘られがたき香に匂ひつゝ(古今240秋歌上:紀貫之)
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▼なに人か來て脱ぎかけし藤ばかま 來る秋ごとに野邊を匂はす(古今239秋歌上:藤原敏行)
※藤袴は乾燥させると良い香がするやうです。
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プロフィール

橘右近大夫

Author:橘右近大夫
畿內の寺社佛閣を中心に、おでかけトロ&クロとお參りしたときの旅日記を綴つてゐます。

旅日記の外に、日頃思ふことなどを書くことがあります。
あくまでも個人的な日記であり、專門的・學術的な正確さを擔保するものではありません。

漢字は正字(康熙字典體)にて書かうとしてをります。どのやうな環境でも讀めるやうに氣を附けてをりますが、環境により漢字が表示されない場合があります。
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