2017-04-10

駒込の染井村。染井吉野は自生ではなく園芸種。風説に惑はされないやうに!

世の中に絕えて櫻のなかりせば 春の心はのどけからまし(古今53春歌上:在原業平)

漸く花咲く季節がまゐりましたね。業平卿の歌ではないですが、この時季は櫻の花の咲き具合が氣になつて仕方のない橘右です。ほんたうに落着かない(笑)
だから、餘すところなく櫻の花を樂しみたいのですが、なんだか近年變なことを言う奇人が增えてゐる。櫻の代名詞と言ふべき染井吉野は朝尠半島の南にある島が起源であるとか口に沫を飛ばして喚く聲が日增しに大きくなつてゐることがほんたうに煩はしい。

櫻色に衣は深く染めて着む 花の散りなむのちの形見に(古今66春歌上:紀有朋)

儚く散つてしまうだけに起源なんかどうでも良いでせう。それよりも惜しむ氣持を衣に託すのは良いんぢやないですかね。

待てと言ふに散らでしとまるものならば 何を櫻に思ひまさまし(古今70春歌上:詠み人智らず)

いや全くその通りだと思ふ。まあ、だからこそ、かう言うことなんだけどね。

花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに(古今113春歌下:小野小町)

この歌は別に解釋する必要はないですよね。餘りにも有名な歌ですから。
江戶彼岸櫻と大島櫻を掛け合わせた園藝種が「自生」するなどと起源を喚く者は、やはりこれら櫻を愛でる文化を持ち合はせてゐないのではないか。まあ、こんな話は不粹なのでこの邊で止めにしよう。ばからしいし。

今年は偶々機會があり染井吉野の發祥地に行くことが出來た。都內は春めく陽氣がこゝ數日續いてゐたが、もう旣に散り始めてゐた。いやはや、早いですね、散るの。

花散らす風の宿りは誰か知る 我に敎へよ行きてうらみむ(古今76春歌下:素性法師)

素性法師に同感です。先週の後半は風が强かつた。ほんたうにあの風が恨めしい。

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▼葉がちらほらと見えて來た。
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プロフィール

橘右近大夫

Author:橘右近大夫
畿內の寺社佛閣を中心に、おでかけトロ&クロとお參りしたときの旅日記を綴つてゐます。

旅日記の外に、日頃思ふことなどを書くことがあります。
あくまでも個人的な日記であり、專門的・學術的な正確さを擔保するものではありません。

漢字は正字(康熙字典體)にて書かうとしてをります。どのやうな環境でも讀めるやうに氣を附けてをりますが、環境により漢字が表示されない場合があります。
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